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アジア大会

柔道の噛みつきはなぜ反則負け?アジア大会・唐婧選手の経緯と経歴、各国メディアの見方


愛知・名古屋アジア大会の柔道女子70キロ級で、中国の唐婧(とう・せい)選手が、日本の前田凛選手の左腕を噛み、反則負けとなりました。「何があったの?」「なぜ反則負けなの?」「唐婧選手はどんな選手?」と気になった方も多いのではないでしょうか。

この記事では、THE DIGEST、AFP=時事、ココカラネクストなどの日本の報道と、台湾・韓国のメディアをもとに、試合の経緯と、唐婧選手の経歴、その後の動きを整理します。特定の選手を責めることを目的とした記事ではありません。

要点:寝技の攻防で腕を噛み、審判団が映像を確認して反則負け

  • 10月1日の準々決勝で、前田選手の寝技から逃れようとした唐婧選手が前田選手の左腕を噛み、審判団は映像を確認したうえで反則負けを宣告した。
  • 唐婧選手は1995年生まれのベテランで、63キロ級で2018年アジア大会銅、2023年杭州アジア大会銀などの実績がある。試合後は取材に応じず、敗者復活戦にも出なかった。
  • 前田選手はその後も勝ち進み、金メダルを獲得した。

何があった?

10月1日、70キロ級の準々決勝

10月1日、愛知国際アリーナで行われた柔道女子70キロ級の準々決勝で、日本の前田凛選手(21歳、環太平洋大)と中国の唐婧選手が対戦しました。THE DIGESTによると、寝技でもつれる中で、前田選手の寝技から逃れようとした唐婧選手が、前田選手の左腕を噛みました。ココカラネクストや台湾の自由時報は、噛んでいた時間を20秒以上と伝えています。

前田選手はすぐに審判にアピールし、噛まれた箇所を見せました。審判団はリプレイ映像などで確認したうえで協議し、唐婧選手の反則負けを宣告しました(THE DIGEST、AFP=時事)。大会の公式結果には「Hansoku-make(反則負け)」と記載されました。

女子日本代表の塚田真希監督によると、前田選手は試合後にテープを巻いていましたが、その下にはくっきりと歯型が残っていたそうです(THE DIGEST)。前田選手はその後も勝ち進み、決勝で一本勝ちして金メダルを獲得しました。前田選手については、前田凛は何者?で紹介しています。

記事によって細部の書き方が違う点

噛まれた部位は「左腕」「左上腕」「手首の上部」など、発生のタイミングも「試合開始1分ほど」「残り約2分50秒ごろ」などと、媒体によって書き方が少しずつ違います。大筋は一致しているので、細部は複数の報道を見比べるのがおすすめです。

柔道で噛みつきはなぜ「反則負け」?

柔道の反則には、大きく分けて「指導」と「反則負け」があります。「指導」は消極的な姿勢などの比較的軽い反則に与えられ、3回たまると反則負けになります。一方、相手にけがをさせるおそれのある危険な行為や、柔道の精神に反する行為には、一度で「反則負け」が与えられます(SPAIA)。

噛みつきは、相手の体を傷つける行為で、柔道の技とはまったく関係がありません。審判団は映像で行為を確認し、一度で勝負が決まる反則負けと判断しました。台湾の聯合報によると、大会の成績システムには、敗因が「柔道精神に反する行為」と表示されたそうです。

U-NEXTで試合を解説した、北京・リオ五輪銅メダリストの中村美里さんは、「道着の上から噛んでいるなら、わざとに近い」と話したと伝えられています(ココカラネクスト)。

唐婧選手はどんな選手?

唐婧選手は、1995年生まれの中国の柔道選手です。これまでは63キロ級を中心に活躍してきました。英語版Wikipediaに載っている主な実績は次のとおりです。

  • 2018年:ジャカルタ・アジア大会 女子63キロ級 銅メダル
  • 2023年:杭州アジア大会 女子63キロ級 銀メダル、混合団体 銅メダル
  • 2023年:グランドスラム・アブダビ 銀メダル
  • 2024年:パリ五輪 女子63キロ級 ベスト16

今回のアジア大会では、70キロ級に出場していました。

試合後の行動

THE DIGESTによると、唐婧選手は反則負けを告げられたとき、「偶然口に当たっただけ」と言いたげな表情を見せましたが、判定は覆りませんでした。最後は前田選手との握手に応じて畳を降りています。試合後の取材には「No」と答えて応じず、銅メダルのチャンスがあった敗者復活戦にも出場しませんでした。

Qolyによると、韓国メディアのOSENは、唐婧選手が出場停止などの追加の処分を受けることなく、2日後の10月3日に混合団体戦に出場したことに疑問を投げかけています。唐婧選手は準々決勝の韓国戦で一本勝ちしましたが、中国は1-4で敗れて敗退しました。唐婧選手本人や中国チームからの声明は出ていません。

各国メディアの報じ方

  • 中国:大手ポータルの「搜狐」は、唐婧選手が「うっかり」噛んだと伝え、読者から批判の声が相次ぎました(ココカラネクスト)。一方で、中国国内でも批判的に伝える報道がありました(日刊スポーツ)。
  • 韓国:スポーツ朝鮮は「あきれた事件」と報じ、スターニュースは中継映像に歯型が映ったと伝えました。
  • 台湾:自由時報は、唐婧選手が謝罪せず取材を拒否したと伝えています。

日本、韓国、台湾のメディアがそろって問題視した一方で、中国では「誤って」と伝える報道と、批判の声の両方がありました。

まとめ

  • 10月1日のアジア大会柔道女子70キロ級の準々決勝で、中国の唐婧選手が日本の前田凛選手の左腕を噛み、審判団が映像を確認して反則負けとしました。前田選手はその後、金メダルを獲得しました。
  • 噛みつきは、相手を傷つけ、柔道の精神に反する行為として、一度で反則負けになります。
  • 唐婧選手は63キロ級でアジア大会のメダル経験もあるベテランです。試合後は取材に応じず、敗者復活戦にも出ませんでしたが、2日後の混合団体戦には出場しました。

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参考・出典