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アジア大会

なでしこジャパンがアジア大会3連覇|決勝は北朝鮮にPK戦で勝利、全試合の結果と、観客が少なかった理由・地上波中継の問題


愛知・名古屋アジア大会の女子サッカーで、なでしこジャパンが金メダルを獲得し、大会3連覇を達成しました。「決勝はどんな試合だった?」「なぜ観客があんなに少なかったの?」「テレビで見られなかったのはなぜ?」と気になった方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ゲキサカ、フットボールチャンネル、サッカーキングなどの報道をもとに、なでしこジャパンの戦いと、話題になった観客数や放送の問題をまとめます。

要点

  • 10月2日の決勝で北朝鮮と2-2で引き分け、PK戦を5-3で制して金メダル。2018年、2023年に続く大会3連覇。
  • 初招集のFW神谷千菜選手が、準決勝まで5試合連続、計7得点を挙げた。
  • 試合会場の静岡・エコパスタジアム(約5万人収容)は観客が少なく、準決勝の日韓戦は998人。準決勝は地上波での生中継もなかった。

結果:決勝は北朝鮮にPK戦で勝利、大会3連覇

ゲキサカによると、10月2日にエコパスタジアムで行われた決勝で、日本は北朝鮮と2-2で引き分け、PK戦を5-3で制しました。日本は2018年ジャカルタ大会、2023年杭州大会に続く大会3連覇です。前回2023年の決勝も日本対北朝鮮で、このときは日本が4-1で勝っています(サッカーキング)。

ラウンド 対戦相手 結果
準々決勝(9月25日) フィリピン ○4-0
準決勝(9月29日) 韓国 ○2-0
決勝(10月2日) 北朝鮮 △2-2(PK5-3で勝利)

北朝鮮は、グループステージで3試合19得点、準決勝で中国に2-0で勝って決勝に進んでいました(フットボールチャンネル、ゲキサカ)。

初招集の神谷千菜が5試合連続ゴール

ゲキサカによると、初めてなでしこジャパンに選ばれたFW神谷千菜選手(サンフレッチェ広島レジーナ)は、準決勝までに5試合連続、計7得点を挙げ、得点ランキングのトップで大会を終えました。決勝ではゴールを奪えず、後半に右肩を痛めて途中交代しましたが、「金メダルを取れたのは本当に良かった」と話しています。

監督は狩野倫久監督。ニールセン監督ではなかった理由

今大会でなでしこジャパンを率いているのは、狩野倫久(かのう・みちひさ)監督です。「なでしこジャパンの監督はニールセン監督では?」と思った方もいるかもしれません。

ニルス・ニールセン監督は、2024年12月に、なでしこジャパン史上初の外国人監督として就任しました。2026年3月21日のAFC女子アジアカップ決勝で優勝したものの、日本サッカー協会は4月2日、ニールセン監督との契約を延長しないと発表しました。契約は3月31日までで、優勝からわずか10日あまりでの退任でした(サッカーキング、ABEMA TIMES)。女子ナショナルチームダイレクターの佐々木則夫氏は、ワールドカップ優勝を狙ううえで「戦術的に甘さがあった」と説明しています。サッカーダイジェストは、ニールセン体制では狩野コーチらが練習を主導していたことなどを伝えています。

ニールセン監督の退任後、コーチを務めていた狩野氏が監督代行としてチームを率い、4月のアメリカ遠征で指揮をとりました。サッカーキングによると、その後の2026年5月14日、狩野氏が正式に監督に就任することが発表されています。つまり、今大会の時点で狩野氏は「監督代行」ではなく、正式な監督です。

サッカーキングによると、狩野監督は49歳で、女子の年代別日本代表の指導経験が豊富です。2024年のFIFA U-20女子ワールドカップ(コロンビア)では、U-20日本女子代表を準優勝に導きました。さらに、2023年に開かれた前回の杭州アジア大会では、日本女子代表を率いて優勝しています。つまり狩野監督にとって、今大会は2大会連続の優勝をかけた戦いでもあります。日本経済新聞によると、就任にあたっては「世界一奪還」を目指すと語っています。今回のアジア大会は、国内組の選手たちを見極め、2027年の女子ワールドカップに向けた選手層を厚くする場にもなっています。

エコパの観客数はなぜ少なかった?

タイ戦1202人、ベトナム戦1029人、台湾戦3679人、フィリピン戦1084人

東スポWEBによると、今大会のなでしこジャパンの試合の観客数は次のとおりです。

  • 9月14日(月) グループリーグ第1戦 タイ戦(8-0):1202人
  • 9月17日(木) グループリーグ第2戦 ベトナム戦(8-0):1029人
  • 9月21日(月・祝) グループリーグ第3戦 チャイニーズ・タイペイ戦(4-0):3679人
  • 9月25日(金) 準々決勝 フィリピン戦(4-0):1084人

4試合とも、会場は静岡県袋井市の小笠山総合運動公園エコパスタジアムです。最も多かったのは、祝日の敬老の日に行われたチャイニーズ・タイペイ戦の3679人で、日本サッカー協会(JFA)のマッチレポートでも同じ数字が記録されています。フィリピン戦の1084人は、サッカーダイジェストも伝えています。それ以外の平日の3試合は、いずれも1000人台にとどまりました。なお、チケットは同じ日の2試合を見られる「セッション」単位で販売されていますが、発表された観客数が日本戦だけのものか、その日の2試合を通した数字なのかは確認できていません。

東スポWEBによると、準々決勝のフィリピン戦では、TBS系の地上波中継が前半30分ごろから始まりました。SNSには「観客ガラガラで選手たちの声だけめちゃくちゃ聞こえてる」「会場ガラガラやん」といった声が寄せられています。

エコパスタジアムは2002年W杯や2019年ラグビーW杯で使われた5万人規模の会場

エコパスタジアムは、東スポWEBが「5万規模会場」と伝えるように、5万人規模の観客を収容できる大型のスタジアムです。2002年の日韓ワールドカップでは試合会場の一つとなり、イングランド対ブラジルの準々決勝などが行われました。2019年のラグビーワールドカップ日本大会でも会場となり、日本代表がアイルランド代表を破った試合は「静岡の衝撃」と呼ばれています。

こうした大きな国際大会の舞台となってきたスタジアムに、1000人あまりの観客しか入っていないことが、「ガラガラ」という印象をさらに強めています。仮に1084人の観客が5万人規模のスタジアムに入った場合、客席のおよそ2%しか埋まっていない計算になります。

観客が少ない理由として挙げられていること

観客が少ない理由について、大会の主催者や日本サッカー協会からの公式な説明は、確認できた範囲では出ていません。ここでは、報道やSNSで挙げられている点を整理します。

平日の開催

1つ目は、試合の曜日と時間です。なでしこジャパンのグループリーグ4試合のうち、3試合は平日に行われました。エコパスタジアムの公式サイトによると、試合は1日2試合で、グループリーグは16時と19時30分、決勝トーナメントは15時と19時30分にキックオフの予定が組まれています。日本の試合は、4試合ともすべて19時30分キックオフでした。

平日の夜7時30分に試合を見るには、仕事や学校を終えてから会場に向かう必要があります。遠方から見に行く場合は、帰りの時間も気になります。東スポWEBは、シルバーウィーク中だった台湾戦で観客数がやや増えたことについて、祝日の開催が影響した可能性に触れています。実際に、祝日だった台湾戦の観客数は、平日の3試合のおよそ3倍でした。

会場へのアクセス(SNSでの声)

2つ目は、会場へのアクセスです。東スポWEBによると、SNSには「さすがに女子サッカーを豊田スタジアムよりアクセス悪いエコパでやったらガラガラよ」という声も寄せられました。

エコパスタジアムの最寄り駅は、JR東海道線の愛野駅で、公式サイトによると駅から徒歩約15分です。東海道新幹線の停車駅から直接行ける場所ではなく、在来線への乗り換えが必要です。アジア大会の期間中、駐車場はP9・P10が有料(普通車1000円、先着順)、P11・P12が無料で開放されており、事前の予約はできません(エコパスタジアム公式サイト)。

アジア大会の中心となっている名古屋市からは、在来線を乗り継いで向かうことになり、名古屋周辺に滞在する人にとっては、気軽に見に行ける距離ではありません。

愛知・名古屋アジア大会なのに静岡で試合がある理由

「愛知・名古屋アジア大会なのに、なぜ静岡で試合をするの?」という疑問を持つ方も多いと思います。

アジア大会のサッカー競技は、愛知県内だけでなく、周辺の府県の会場も使って行われています。大会組織委員会が発表した日程によると、サッカーの会場は7カ所です。愛知県内の豊田スタジアム、名古屋市瑞穂公園ラグビー場、名古屋市港サッカー場、ウェーブスタジアム刈谷の4カ所に加えて、岐阜県の岐阜メモリアルセンター長良川競技場、静岡県の小笠山総合運動公園エコパスタジアム、大阪府の長居陸上競技場が使われています。名古屋暮らしガイドによると、日本の試合は豊田スタジアムとエコパスタジアムで行われ、女子の日本戦はすべてエコパスタジアムです。

袋井市の公式サイトによると、エコパスタジアムは女子サッカーの主要会場の1つで、予選から決勝まで12試合が行われます。

準決勝の日韓戦は観客998人

エコパスタジアム(収容約5万人)で行われた日韓戦の様子

試合は9月29日(火)、静岡県袋井市のエコパスタジアム(小笠山総合運動公園)で19:30にキックオフされました。THE ANSWERによると、会場の収容人数は約5万人で、この日の観客動員数は998人でした。

試合そのものは、なでしこジャパンの完勝でした。0-0で迎えた後半、54分にFW神谷千菜選手(サンフレッチェ広島レジーナ)がFW上野真実選手のパスにヘディングで合わせて先制し、63分にもこぼれ球を左足で決めて2-0とし、決勝進出を決めています(日刊スポーツ、フットボールチャンネルによる)。神谷選手は全5試合でゴールを決め、大会7得点になりました。日本は準決勝までの5試合を無失点で勝ち上がっています。

一方で、収容人数の約5万人に対して998人という数字は、スタンドの大部分が空いていたことを意味します。スタンドの空席の多い光景が、ファンの間で話題になりました。

SNSの反応(THE ANSWERが紹介した声)

THE ANSWERは、U-NEXTの中継で試合を見ていたネット上の視聴者から、次のような声が上がったと伝えています。

  • 「何やこの客入り」
  • 「スタジアムがガラガラ(;;)」
  • 「ガラガラで可哀想」
  • 「女子とはいえサッカーの日韓戦なのに」
  • 「これは残念すぎる…」

こうした投稿は、選手や運営を強く批判するものというより、「もっと多くの人に見てほしかった」という残念な気持ちを表すものが中心でした。同じ記事では、地上波の中継がないことにも触れ、「やっぱり地上波でやって欲しかったな」「準決勝も放送ないんだ」といった声があったと紹介しています。

なお、これらは個々のSNS投稿であり、全体の意見を代表しているわけではありません。ここでは、どんな声が上がったかを紹介するにとどめます。

雨の中の試合だった点

THE ANSWERは、この日の試合が雨の中で行われたことも伝えています。同記事は、雨が降っていたこともあって、人が少なく寂しい光景になっていたとしています。東スポWEBも、試合開始前から悪天候の影響もあってか、と伝えています。

ただし、雨が観客数にどれだけ影響したのかは、数字では確認できません。天候以外の要因も重なった可能性があるため、雨だけが理由と断定することはできません。次の章では、ほかに確認できる事実を整理します。

日韓戦はなぜ地上波で生中継されなかった?

準決勝はU-NEXTで独占ライブ配信

今回のアジア大会は、動画配信サービスの「U-NEXT」と、TBS系列の地上波で中継されています。Goal.com日本版によると、U-NEXTは最大7チャンネルを使って、20競技以上をライブ配信しています。サッカー、バレーボール、卓球、陸上、バスケットボール、野球、競泳、ゴルフなどが対象で、ライブ配信のあとに見逃し配信も行われます。なお、今大会のなでしこ戦のうち、9月14日のタイ戦と17日のベトナム戦は地上波の中継がなく、U-NEXTだけの配信でした(サッカーダイジェストWeb、Goal.com日本版による)。

準決勝の日韓戦は、U-NEXTでライブ配信されました。地上波は、東スポWEBによると「TBS系での録画放送」で、生配信はU-NEXTのみでした。THE ANSWERも「地上波中継もなく」と伝えています。生中継を見たい場合は、U-NEXTが唯一の手段でした。

TBS系は録画放送(放送前の予定は媒体によって記載が異なった)

地上波の扱いについて、放送前の予定は媒体によって記載が異なりました。Goal.com日本版は、9月29日の放送予定まとめや、なでしこの放送予定の一覧表で、TBS系列の15:49〜23:27の放送枠のなかで、陸上の4×400mリレー決勝や男子バレーボール(日本対パキスタン)が中継される一方、「サッカー女子 準決勝 日本対韓国」は録画と記載していました。別のGoal.com日本版の記事も、準決勝は「TBS系列での生中継は予定されていない」「録画放送が予定されている」と案内しています。

一方、フットボールチャンネルは、9月29日の15:49〜23:27のTBS系列の枠に「女子準決勝 日本vs韓国ほか」を入れ、「中継」の欄に「LIVE予定」と記載していました。ただし同じ記事は、大会中継では複数の競技を扱うため、放送予定に試合名が載っていても、競技の進行や番組編成の都合で実際には中継されない場合がある、とも注意書きしています。実際には、東スポWEBが伝えたとおり、準決勝は録画放送でした。録画放送の日時などの詳細は、TBSの番組表で確認してください。

このように、予定の情報は媒体によって異なることがあります。今後の放送も、事前の記事だけで判断せず、番組表やTBS・U-NEXTの公式発表で確認するのが確実です。

放送権の仕組み

一般に、国際的なスポーツ大会の中継は、主催者側が放送局や配信事業者に放送・配信の権利を提供し、その権利の範囲で中継が行われます。どの競技を、生中継にするか録画にするか、どの局・サービスで見せるかは、権利の契約や、放送局の番組編成によって決まります。

今回の大会で、TBSとU-NEXTの間でどのような契約や分担になっているかは、公式に公表された情報を見つけられませんでした。Goal.comは、U-NEXTが最大7チャンネルで20競技以上を同時に配信する一方、地上波は1つのチャンネルなので、放送枠に限りがあると解説していますが、これは記事による説明で、TBSや主催者の公式な説明ではありません。

Goal.com日本版の放送予定を見ると、9月29日のTBSの枠では、陸上の4×400mリレー決勝や混合4×100mリレー決勝、男子バレーボールの日本対パキスタンが生中継の扱いで、女子サッカー準決勝は録画でした。なぜこの組み合わせになったのか、その理由について、TBSや主催者の説明は見つかりませんでした。

女子サッカーの観客動員の現状

今回のアジア大会の観客の少なさは、女子サッカーの人気がないことを意味するのでしょうか。国内の女子プロサッカーリーグ、WEリーグの数字を見てみます。

WEリーグの発表によると、2025/26シーズンの公式戦の年間総入場者数は38万179人で、リーグ創設以来の過去最多となりました。前のシーズン(33万7290人)と比べると113%に増えています。内訳は、リーグ戦にあたる「SOMPO WEリーグ」が132試合で31万5747人、カップ戦の「WEリーグ クラシエカップ」が41試合で6万4432人でした。公式戦全体の1試合平均は2198人で、リーグ戦だけの1試合平均は2392人でした。

クラブごとに見ると、動員の差は大きくなっています。WEリーグのデータをまとめたファンのnote記事によると、サンフレッチェ広島レジーナの動員がリーグ全体の20%におよび、INAC神戸レオネッサは前年比でリーグ最大の伸びを記録しました。1万人を超える観客が集まった試合がある一方で、多くの試合は1000人から2000人台にとどまっていると分析しています。

こうした数字と比べると、今回のアジア大会のなでしこジャパンの試合の観客数(平日1000人台)は、WEリーグの1試合平均を下回っています。代表チームの試合としては少ないといえますが、平日の夜で、アクセスが限られる会場という条件が重なっていることも考える必要があります。一方で、WEリーグの年間の入場者数は過去最多を更新しており、女子サッカーを会場で応援するファンは増えています。アジア大会全体の空席や放送の話題は「【アジア大会】チケット完売なのに特等席がガラガラな理由/そもそもどこで見れる?放送・見逃し配信まとめ」でもまとめています。

2027年には、女子ワールドカップが開かれます。今回のアジア大会で活躍した選手たちが代表の主力に加われば、女子サッカーへの注目がさらに高まることも期待されます。

まとめ

  • なでしこジャパンは、10月2日の決勝で北朝鮮と2-2で引き分け、PK戦を5-3で制して、アジア大会3連覇を達成しました。
  • 狩野倫久監督が率いたチームで、初招集の神谷千菜選手が準決勝まで5試合連続ゴールの活躍を見せました。
  • 約5万人収容のエコパスタジアムで観客は少なく、準決勝の日韓戦は998人でした。準決勝は地上波での生中継もなく、女子サッカーの見せ方に課題が残りました。

参考・出典