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競泳ニッポン、アジア大会でメダル37個!大橋信の世界新から西小野皓大の逆転金まで「復活」と言われる理由


愛知・名古屋アジア大会の競泳が、2026年9月25日に全日程を終えました。日本は17歳の大橋信選手の世界新記録をはじめ、多くのメダルを獲得しています。ニュースで「競泳ニッポン復活」という言葉を見て、「結局メダルはいくつ取ったの?」「どうして復活と言われているの?」と気になった方も多いのではないでしょうか。

この記事では、日本の競泳陣が獲得したメダルの数と前回大会との比較、今大会の名場面、更新された日本記録を整理します。そのうえで、「復活」と言われる背景を、2024年のパリ五輪の結果と比べながら解説します。2028年ロサンゼルス五輪に向けて期待される若手選手も紹介します。

なお、今大会の競泳は、愛知・名古屋アジア大会の競技の一つとして、東京都江東区の東京アクアティクスセンターで行われました。

メダル数は金7・銀15・銅15の合計37個

前回の杭州大会(30個)より増えた

THE DIGESTによると、日本の競泳陣は、今大会で金メダル7個、銀メダル15個、銅メダル15個の合計37個のメダルを獲得しました。金メダルは、松下知之選手(男子200メートル個人メドレー)、大橋信選手(男子100メートル・200メートル平泳ぎ)、小島夢貴選手(男子400メートル個人メドレー)、光永翔音選手(男子100メートルバタフライ)、加藤心冨選手(女子200メートル平泳ぎ)、西小野皓大選手(男子200メートル背泳ぎ)の7個です。

スポーツニッポンによると、大会最終日を前にした時点で、日本のメダル総数は31個に達していました。これは、2023年に中国で開かれた前回の杭州大会で獲得した30個を上回る数で、目標をクリアしたと伝えられています。最終日にさらにメダルを積み上げ、前回を7個上回る37個となりました。

アジア大会の競泳は、中国が強さを見せてきた大会です。その中で前回を上回るメダルを獲得したことは、日本の競泳陣の底上げを示す結果といえます。

最終日だけでメダル6個(池江璃花子の銅など)

THE DIGESTによると、大会最終日の9月25日には、日本は金1・銀2・銅3の6個のメダルを獲得しました。その中でも注目を集めたのが、池江璃花子選手の銅メダルです。

池江選手(横浜ゴム)は、2028年ロサンゼルス五輪で新たに採用される女子50メートルバタフライで、25秒97をマークして銅メダルを獲得しました。デイリースポーツによると、池江選手は前日の女子50メートル自由形を体調不良のため棄権しており、声がかれた状態でレースに臨みました。それでも「体調は言い訳せず、全力で泳いだ」と語り、「とにかくメダル取りたかった。本当にうれしい」と喜びを口にしています。このメダルは、今大会で日本選手団が獲得した100個目のメダルでした。

池江選手は、今大会で男女混合400メートルメドレーリレーの銀メダルにも貢献しており、アジア大会では3大会連続のメダル獲得となりました(スポーツ報知)。デイリースポーツによると、アジア大会でのメダルは通算12個目です。2018年のジャカルタ・パレンバン大会では6冠を達成して大会MVPに選ばれた池江選手が、白血病からの復帰を経て、再びアジア大会の表彰台に立ったことになります。

最終日には、男子200メートル背泳ぎで西小野皓大選手が金メダルを獲得しました。西日本スポーツは、この金メダルで日本の競泳陣が全日程で金メダルを獲得したと伝えています。

今大会の名場面ベスト3

17歳・大橋信の200m平泳ぎ世界新(2分04秒83)

今大会で最も大きな話題となったのが、大橋信(おおはし・しん)選手の世界新記録です。大阪府出身で、四條畷学園高校の3年生、17歳の大橋選手は、9月24日の男子200メートル平泳ぎ決勝で2分04秒83をマークしました(デイリースポーツ、時事通信)。これは、中国の覃海洋選手が2023年に出した2分05秒48を0秒65更新する世界新記録です。2021年に佐藤翔馬選手が出した日本記録(2分06秒40)も、5年ぶりに塗り替えました。

大橋選手は、枚方スイミングスクールに所属しています。9月21日の男子100メートル平泳ぎでも金メダルを獲得しており、平泳ぎの2冠を達成しました。今回が初めての日本代表でした。Olympics.comによると、大橋選手は「日本開催というところが僕がいい結果を出せた要因。みんなに感謝」と語っています。

日本の平泳ぎは、北島康介さんらが五輪で金メダルを獲得してきた伝統の種目です。17歳の高校生が世界記録を塗り替えたことで、2028年のロサンゼルス五輪での活躍にも大きな期待が集まっています。

主将の松下知之が日本の金メダル第1号

THE DIGESTによると、日本の競泳陣の金メダル第1号となったのは、今大会の主将を務めた松下知之選手です。大会初日の9月20日に行われた男子200メートル個人メドレーで、1分55秒30をマークして金メダルを獲得しました(JOC)。スポーツニッポンによると、松下選手は「冷静に泳げた」と振り返り、「タイムはベストで勝ち切れた」と、今月初旬に更新した自己ベストをさらに更新しての優勝でした。日刊スポーツは、アジアの強敵である中国の汪順選手に打ち勝っての優勝だったと伝えています。

松下選手は、2024年のパリ五輪の男子400メートル個人メドレーで銀メダルを獲得した選手です。一方で、200メートル個人メドレーで銀メダルだった17歳の小島夢貴選手(愛知・豊川高校)は、400メートル個人メドレーで4分7秒02の大会新記録をマークし、萩野公介さんの記録を超えて金メダルを獲得しました(スポーツ報知)。この種目の松下選手は、2冠を阻まれる形になりました。主将が先陣を切って金メダルを取り、若い世代がそれに続くという流れが、今大会の日本の勢いを象徴していました。

最終日に西小野皓大が200m背泳ぎで逆転の金

大会最終日には、西小野皓大(にしおの・こうだい)選手(新東工業)が、男子200メートル背泳ぎで1分56秒42をマークして金メダルを獲得しました。西小野選手は鹿児島県出身の23歳で、今年3月に中京大学を卒業して社会人1年目のシーズンを迎えています。

西小野選手は大会初日の100メートル背泳ぎでは54秒03で4位に終わり、メダルに届きませんでした。その悔しさを晴らす形で、最終日の200メートルでは、150メートル地点まで3位から最後の50メートルで逆転し、初の国際大会優勝をつかみました(中京大学、MBC南日本放送)。レースの詳しい内容は「西小野皓大(にしおの・こうだい)って誰?アジア大会200m背泳ぎで金、23歳の経歴と逆転した決勝の中身」でまとめています。

日本記録は7つ。どの種目で出た?

THE DIGESTによると、今大会では世界記録1つを含め、個人とリレーで7つの日本記録が生まれました。

  • 男子200メートル平泳ぎ:大橋信 2分04秒83(9月24日、世界新記録)
  • 女子50メートル平泳ぎ:鈴木聡美 29秒91(9月20日)
  • 男子800メートルリレー(4×200メートル自由形):村佐達也、松元克央、黒田一瑳、松下知之 7分01秒05(9月21日)
  • 男子400メートルメドレーリレー:竹原秀一、大橋信、光永翔音、村佐達也 3分28秒70(9月22日)
  • 男子100メートルバタフライ:光永翔音 50秒56(9月23日)
  • 男子50メートルバタフライ:光永翔音 23秒06(9月24日、日本記録とタイ)
  • 男子800メートル自由形:田渕海斗 7分43秒86(9月24日)
  • 男子400メートルリレー(4×100メートル自由形):村佐達也、松本周也、松元克央、光永翔音 3分11秒96(9月24日)

男子50メートルバタフライの23秒06は、光永選手自身が持つ日本記録と同じタイムです。

光永翔音は3種目に絡む活躍

日本記録の更新で目立ったのが、中央大学3年の光永翔音(みつなが・しょうおん)選手です。光永選手は2005年6月28日生まれの21歳で、千葉県出身、身長191センチの大型スイマーです(JOC、デイリースポーツ)。

光永選手は、男子100メートルバタフライで日本新記録をマークして金メダルを獲得しました。デイリースポーツによると、翌日の男子50メートルバタフライでも、自身が持つ日本記録と同じ23秒06で銀メダルを獲得しています。さらに、男子400メートルメドレーリレーと男子400メートルリレーのメンバーとしても日本記録の更新に加わりました。

デイリースポーツによると、光永選手は100メートルバタフライで優勝した夜は「興奮して眠れなかった」そうです。それでも、「リレーで勝つために、50メートルバタフライで優勝してリレーに向けていい準備ができれば」と話し、チームへの意識の高さをうかがわせました。

リレー陣の記録更新が続いた理由

今大会の日本は、リレー種目でも日本記録の更新が続きました。男子800メートルリレー、男子400メートルメドレーリレー、男子400メートルリレーの3種目で日本記録が生まれています。

デイリースポーツによると、日本水泳連盟の倉澤(倉沢)競泳委員長は、選手村について「名古屋に比べるとかなり快適」「食事も最高級のレストランで、ベッドもふかふか」と話しました。そのうえで「泳ぎ慣れた東京アクアティクスセンターで選手たちが迎えられていることが、1番記録が出しやすい状況になっている」と語っています。日本開催という地の利が、記録の更新につながったとみられます。

リレーの記録は、個人の力の積み重ねで決まります。光永選手や大橋選手、松下選手のように、個人種目で好記録を出す選手が複数そろったことが、リレーの記録更新の大きな要因と考えられます。

「競泳ニッポン復活」と言われるのはなぜ?

倉澤競泳委員長のコメント

倉澤競泳委員長は、大会前半戦を終えた時点で「歴史が動いている。ロサンゼルス五輪に向けたメドレーリレーの金メダルも具現化してきた」と語り、手応えを示していました(デイリースポーツ)。

THE DIGESTによると、倉澤委員長は競泳最終日の決勝を前に、今大会の好成績と記録について「競泳ニッポン復活といってもいい」と高く評価しました。

過去の大会と比べてどう変わったか(確認できる数字だけで)

「復活」という言葉の背景には、ここ数年の日本の競泳陣の苦戦があります。2024年のパリ五輪で、日本の競泳陣が獲得したメダルは、松下知之選手の男子400メートル個人メドレーの銀メダル1個だけでした。金メダルはゼロに終わり、日本の競泳界にとって厳しい結果となりました。

アジア大会で見ても、前回2023年の杭州大会でのメダルは30個でした。今大会はそれを7個上回る37個を獲得し、さらに17歳の大橋選手が世界記録を更新しています。パリ五輪でメダル1個に終わってから2年で、若い選手を中心に結果を出したことが、「復活」と言われる大きな理由です。

もっとも、アジア大会はアジアの国と地域だけが出場する大会で、今大会には自国開催の地の利もありました。世界の舞台でも同じような結果を出せるかどうかは、2027年の世界選手権や、2028年のロサンゼルス五輪で試されることになります。

次はロス五輪。期待の若手は誰?

今大会では、10代から20代前半の若い選手の活躍が目立ちました。2028年のロサンゼルス五輪に向けて、特に期待される選手を紹介します。

  • 大橋信(17歳、四條畷学園高校・枚方SS):男子100・200メートル平泳ぎで金。200メートルは世界新記録
  • 小島夢貴(17歳、愛知・豊川高校):男子400メートル個人メドレーで大会新記録の金、200メートル個人メドレーで銀
  • 光永翔音(21歳、中央大学):男子100メートルバタフライで日本新の金、50メートルバタフライで銀
  • 松下知之(21歳、東洋大学):男子200メートル個人メドレーで金、400メートル個人メドレーで銀。パリ五輪銀メダリスト
  • 西小野皓大(23歳、新東工業):男子200メートル背泳ぎで金

ロス五輪が開かれる2028年には、大橋選手と小島選手は10代、光永選手と松下選手は20代前半です。いずれも選手として伸び盛りの時期に五輪を迎えることになり、日本の競泳陣の中心となることが期待されます。

また、ロス五輪では50メートルバタフライが新たに実施される予定です。今大会で50メートルバタフライの銅メダルを獲得した池江璃花子選手や、銀メダルの光永選手にとっては、新たなメダル獲得のチャンスが広がります。

まとめ

アジア大会の競泳日本代表について、この記事のポイントを整理します。

  • 日本の競泳陣は金7・銀15・銅15の合計37個のメダルを獲得。前回の杭州大会の30個を上回った
  • 17歳の大橋信選手が男子200メートル平泳ぎで2分04秒83の世界新記録。主将の松下知之選手が金メダル第1号となり、最終日には西小野皓大選手が200メートル背泳ぎで金
  • 光永翔音選手は100メートルバタフライの日本新など複数種目で活躍。リレー種目でも日本記録の更新が続いた
  • パリ五輪でメダル1個に終わった日本の競泳が、若手を中心に結果を出したことが「復活」と言われる理由

世界新記録を出した17歳の大橋選手をはじめ、若い選手たちが次々に結果を出した今大会は、日本の競泳にとって大きな転換点となりそうです。次の大きな舞台は、2027年の世界選手権と2028年のロサンゼルス五輪です。アジアで示した力を世界の舞台でも発揮できるのか、これからの戦いに注目していきましょう。

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参考・出典