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アジア大会男子バレー、日本は12年ぶりの銀メダル|決勝イラン戦の結果、若手中心のメンバー12人と石川祐希・高橋藍が出なかった理由


愛知・名古屋アジア大会のバレーボール男子で、日本代表は決勝でイランに敗れ、銀メダルを獲得しました。「石川祐希選手や高橋藍選手は出ていなかったの?」「どんなメンバーで戦ったの?」と気になった方も多いのではないでしょうか。

この記事では、日本代表の大会の結果、メンバー12人、主力が出なかった理由、注目の若手選手、日本のアジア大会での歴代成績を整理します。

要点:若手中心のチームで決勝進出、イランに敗れ銀メダル

  • 日本は1次リーグから準々決勝まで4試合連続でストレート勝ちし、準決勝では中国にフルセットで勝って決勝へ進んだ。
  • 10月3日の決勝はイランに1-3(26-28、25-19、21-25、24-26)で敗れ、2014年仁川大会以来12年ぶりの銀メダル。イランは大会4連覇を果たした(スポーツ報知)。
  • 9月のアジア選手権で2028年ロサンゼルス五輪の出場権を得ていた日本は、石川祐希選手、高橋藍選手ら主力を外し、若手中心のメンバーで臨んだ。

日本代表の全試合の結果

日付 ラウンド 対戦相手 結果
9月27日 1次リーグ ウズベキスタン ○3-0(25-17、25-20、25-17)
9月28日 1次リーグ カザフスタン ○3-0
9月29日 1次リーグ パキスタン ○3-0
10月1日 準々決勝 カタール ○3-0(25-14、25-13、25-12)
10月2日 準決勝 中国 ○3-2
10月3日 決勝 イラン ●1-3(26-28、25-19、21-25、24-26)

(スポーツ報知、THE DIGESTなどによる。カザフスタン戦とパキスタン戦のセットごとの得点は省略)

初戦ウズベキスタン戦:大塚のサーブで流れをつかむ

初戦は、世界ランキング135位でアジア大会初出場のウズベキスタンに3-0で勝ちました。第1セットは大塚達宣選手のサーブからの連続得点で流れをつかみ、第2セットはリードを許す展開から西山大翔選手と甲斐優斗選手の攻撃で逆転、第3セットも大塚選手のサービスエースを含む連続得点で押し切りました。

準決勝の中国戦:西山大翔が28得点

スポーツ報知によると、10月2日の準決勝・中国戦はフルセットまでもつれる接戦になりましたが、23歳のオポジット・西山大翔選手が両チーム最多の28得点を挙げ、銀メダル以上を確定させました。準々決勝のカタール戦では、カタールの13歳で身長210センチのアウトサイドヒッター、マドゥト選手が話題になりました(THE DIGEST)。

決勝のイラン戦:アジア選手権の雪辱を許す

決勝の相手イランは、9月のアジア選手権の決勝で日本に敗れ、五輪の出場権を逃していたチームです。スポーツ報知によると、イランはアジア選手権とほぼ同じ主力の布陣で臨み、日本は第2セットを取ったものの1-3で敗れました。チーム2位タイの13得点を挙げた甲斐優斗選手は「率直に悔しい」と話しています。第4セットでは、相手のマッチポイントから一時ジュースに持ち込む粘りも見せました。

日本代表メンバー12人

日本バレーボール協会(JVA)は2026年7月31日、アジア大会に出場する男子日本代表12人を発表しました。月刊バレーボールとGoal.com日本版によると、メンバーは次のとおりです(年齢と身長はGoal.com日本版の2026年9月25日時点の表記。月刊バレーボールでは西本選手が188cm、下川選手が178cm)。

背番号 ポジション 選手名 所属 年齢 身長
5 アウトサイドヒッター 大塚達宣 パワーバレー・ミラノ(イタリア) 25歳 195cm
7 アウトサイドヒッター 新井雄大(主将) 広島サンダーズ 28歳 188cm
9 セッター 河東祐大 ジェイテクトSTINGS愛知 28歳 175cm
15 アウトサイドヒッター 甲斐優斗 大阪ブルテオン 23歳 200cm
17 ミドルブロッカー 西本圭吾 広島サンダーズ 27歳 187cm
18 オポジット 西山大翔 大阪ブルテオン 23歳 193cm
24 オポジット 髙橋慶帆 ジェイテクトSTINGS愛知 22歳 194cm
25 セッター 下川諒 サントリーサンバーズ大阪 26歳 177cm
26 アウトサイドヒッター 後藤陸翔 東京グレートベアーズ 25歳 187cm
28 ミドルブロッカー 麻野堅斗 早稲田大学4年 21歳 207cm
30 ミドルブロッカー 西川馨太郎 大阪ブルテオン 26歳 195cm
37 リベロ 高橋和幸 ジェイテクトSTINGS愛知 26歳 170cm

ポジションの内訳は、アウトサイドヒッター4人、オポジット2人、セッター2人、ミドルブロッカー3人、リベロ1人です。主将は、月刊バレーボールによると、広島サンダーズの新井雄大選手が務めています。最年少は早稲田大学4年の麻野堅斗選手(21歳)で、身長207cmはチーム最長です。

チームの平均年齢は25歳前後で、20代前半の選手が多い若いチームです。大塚達宣選手のようにイタリアのセリエAでプレーする選手もいますが、多くはSVリーグの国内クラブに所属する選手で構成されています。

石川祐希、高橋藍、西田有志はなぜ出ない?

日本バレーボール協会の説明

石川祐希選手、髙橋藍選手、西田有志選手ら、これまで日本代表の中心だった選手たちは、アジア大会のメンバーに入っていません。デイリースポーツは、メンバー発表の際に、今回の人選を「五輪切符がかかるアジア選手権など主要国際大会の疲労を考慮したメンバー構成」と伝えています。

背景にあるのが、2026年9月の過密な日程です。スポーツブルによると、9月4日から13日までアジア選手権が、9月27日から10月3日までアジア大会が行われ、2つの大会の間隔は約2週間しかありません。日本は、この2つの大会にそれぞれ別のメンバーで臨む方針をとりました。スポーツブルは8月20日時点の情報として、8月のブラジル戦のメンバー16人とアジア大会の12人を比べると、大塚達宣、河東祐大、甲斐優斗、西本圭吾、西川馨太郎の5人が両方に名を連ねており、9月の2大会でのべ23人が動く計算になると伝えています。

  • アジア選手権(9月4日〜13日):石川祐希、髙橋藍、西田有志ら主力が出場。ロサンゼルス五輪の出場権がかかる
  • アジア大会(9月27日〜10月3日):大塚達宣、甲斐優斗、髙橋慶帆ら若手を中心としたメンバーが出場
  • 監督:2つのチームを、ロラン・ティリ監督が率いる

アジア選手権で2028年ロサンゼルス五輪の出場権を得ていたこと

主力が出場したアジア選手権で、日本はすでに大きな成果を挙げていました。THE DIGESTによると、日本はアジア選手権を6戦全勝で制し、2028年ロサンゼルス五輪の出場権を獲得しています。

Goal.com日本版によると、2026年のアジア選手権から新しい仕組みが導入され、優勝したチームには、アジアの枠としてロサンゼルス五輪の出場権が与えられることになりました。つまり日本は、五輪予選を戦わずに、2年前の時点で五輪への切符を手にしたことになります。Goal.com日本版は、優勝によって「本大会までの期間をチーム強化や若手選手の育成、コンディション調整などに充てられる」というメリットがあると伝えています。また、アジア選手権の上位3チームには、2027年のFIVBワールドカップの出場権も与えられます。

五輪の出場権をすでに得ている日本にとって、アジア大会は、若手選手が国際舞台で経験を積み、次の世代の日本代表を担う力をつける場でもあります。デイリースポーツによると、若手中心のメンバーで、2010年広州大会以来4大会ぶりの金メダルを目指しました。なお、女子は9月22日の決勝で中国に敗れて銀メダルでした。

注目の若手選手

甲斐優斗(23):バックアタックでチームを引っ張る

甲斐優斗選手は、2003年9月25日生まれ、宮崎県出身のアウトサイドヒッターです。身長200cmの長身を生かした攻撃が持ち味で、アジア大会の開幕直前の9月25日に23歳になりました。日本語版Wikipediaによると、宮崎県立日南振徳高校から専修大学に進み、大学在学中にフランスのパリ・バレーでもプレーしています。

日本代表には2022年に初めて登録され、2023年にはパリ五輪予選にも出場しました(日本語版Wikipediaによる)。2024年12月の全日本インカレでは、最優秀選手賞とサーブ賞を受賞しています。2025年1月に大阪ブルテオンに特別指定選手として加入し、現在は大阪ブルテオンに所属しています。

アジア大会の初戦では、TBS NEWS DIGによると、第2セットに甲斐選手のバックアタックでリードを奪い、バレーボールマガジンによると、パイプ(後衛からの速い攻撃)で逆転に成功しました。ネットインのサービスエースも決めるなど、攻撃の中心として活躍しています。

高橋慶帆(22):前回大会のチーム最多得点

髙橋慶帆選手は、身長194cmのオポジットで、ジェイテクトSTINGS愛知に所属しています。TBS NEWS DIGによると、髙橋選手は前回2023年の杭州アジア大会で、チーム最多の得点を挙げました。日本は杭州大会で銅メダルを獲得しており、髙橋選手は2大会連続のアジア大会出場となります。

今回の初戦では、途中出場で存在感を示しました。バレーボールマガジンによると、第1セットに「2枚替え」(セッターとオポジットを同時に交代する作戦)で入った髙橋選手が、高さのあるスパイクで連続得点を挙げています。デイリースポーツも、第3セットに髙橋選手らが得点して試合を押し切ったと伝えています。

同じオポジットの西山大翔選手がスタメンで出場しているため、髙橋選手は途中出場からチームに勢いをもたらす役割を担っています。2人のオポジットを使い分けられることは、今回のチームの強みの一つといえます。

大塚達宣(25):サーブとオールラウンドの活躍

大塚達宣選手は、大阪府出身のアウトサイドヒッターで、身長195cmです。京都の洛南高校から早稲田大学に進み、大学在学中から日本代表に選ばれてきました。日本語版Wikipediaによると、2021年の東京五輪では最終メンバーに選ばれ、イタリア戦に途中出場しています。2024年からはイタリア・セリエAのパワーバレー・ミラノでプレーしています。

アジア大会のメンバーの中では、国際大会の経験が特に豊富な選手の一人です。初戦では、バレーボールマガジンによると、第1セットの序盤から大塚選手のサーブで連続得点を奪いました。さらに、自分でディグ(スパイクを拾うレシーブ)をしてから自分でスパイクを決めるなど、攻守にわたる「オールラウンダー」らしい活躍を見せています。

第3セットでも、大塚選手がサーブで相手を左右に大きく揺さぶり、サービスエースを含む連続得点で7-2とリードを広げました(バレーボールマガジンによる)。TBS NEWS DIGも、第3セットに大塚選手のサービスエースなどで6連続得点を挙げたと伝えています。

西山大翔(23):決定率の高いオポジット

西山大翔選手は、身長193cmのオポジットで、甲斐選手と同じ大阪ブルテオンに所属する23歳です。オポジットは、主に攻撃を担うポジションで、チームの得点源となる役割です。

初戦では、TBS NEWS DIGが「決定率の高い西山、甲斐のスパイクで得点を重ね」と伝えるなど、安定した攻撃でチームを支えました。バレーボールマガジンは、西山選手について、悪い流れになりそうな場面でライトからのバックアタックを決め、日本に流れを引き寄せたと評価しています。同誌の見出しでも、大塚選手とともに「しっかりと仕事」をした選手として名前が挙げられました。

「16年ぶりの金メダル」はならず:アジア大会の男子バレーと日本

最後の金メダルは2010年の広州大会

日本男子が目指す「16年ぶりの金メダル」とは、日本がアジア大会の男子バレーで最後に金メダルを獲得した2010年の広州大会(中国)から16年ぶり、という意味です。デイリースポーツは同じことを「4大会ぶりの金メダル」と表現しています。2014年、2018年、2022年(新型コロナウイルスの影響で2023年に延期)の3大会で金メダルを逃しているため、2026年に優勝すれば4大会ぶりとなります。

日本語版Wikipediaによると、日本男子はアジア大会の男子バレーで、1958年、1962年、1966年、1970年、1974年、1982年、1994年、2010年の計8回、金メダルを獲得しています。英語版Wikipediaによると、2010年広州大会の決勝の相手はイランで、日本が金、イランが銀、韓国が銅でした。

1990年代以降の日本男子の金メダルは、1994年の広島大会と2010年の広州大会の2回だけです。1994年の広島大会は、2026年と同じ日本開催の大会でした。

2014年、2018年、2023年の成績

2010年の金メダル以降、日本男子のアジア大会での成績は次のとおりです(英語版・日本語版Wikipediaによる)。

大会 開催地 日本の成績 金メダル
2010年 広州(中国) 金メダル 日本
2014年 仁川(韓国) 銀メダル イラン
2018年 ジャカルタ・パレンバン(インドネシア) メダルなし イラン
2022年(2023年開催) 杭州(中国) 銅メダル イラン

2014年の仁川大会では銀メダルでしたが、金メダルはイランでした。2018年のジャカルタ・パレンバン大会ではメダルを逃しています(この大会の銀は韓国、銅はチャイニーズタイペイ)。前回の杭州大会では、準決勝で開催国の中国と対戦し、銅メダルを獲得しました(この大会の銀は中国)。

注目したいのは、2014年、2018年、2022年の3大会続けて、イランが金メダルを獲得していることです。イランは、アジアの男子バレーで日本の最大のライバルの一つです。そして名古屋大会でも、決勝で日本の前に立ちはだかったのはイランでした。

放送・配信

大会の地上波放送はTBS系が担当し、U-NEXTが試合をライブ配信しました。初戦のウズベキスタン戦は、同じ時間帯に陸上の注目種目の中継があったため、地上波では生中継されず、「なんで地上波ないの」という声が上がりました(THE ANSWER、THE DIGEST)。決勝のイラン戦のハイライトは、TVerでも配信されました。

まとめ

  • アジア大会の男子バレーで、若手中心の日本代表は決勝でイランに1-3で敗れ、2014年以来12年ぶりの銀メダルを獲得しました。2010年以来16年ぶりの金メダルには届きませんでした。
  • 日本は9月のアジア選手権を主力で制してロサンゼルス五輪の出場権を得ており、アジア大会は石川祐希選手、高橋藍選手らを外した若手中心のメンバーで臨みました。
  • 甲斐優斗選手、高橋慶帆選手、西山大翔選手、大塚達宣選手らが国際大会の経験を積み、準決勝では西山選手が28得点を挙げるなど、次の世代の力を見せました。

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参考・出典