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張本兄妹のアジア大会、同じ日の明暗|美和は銅、兄・智和は篠塚大登と大逆転で男子ダブルス決勝へ


愛知・名古屋アジア大会の卓球競技で、9月27日は張本兄妹にとって大きな一日になりました。妹の張本美和選手は女子シングルス準決勝で世界ランキング1位の王曼昱選手に敗れて銅メダル。一方、兄の張本智和選手は篠塚大登選手と組んだ男子ダブルス準決勝で、中国ペアを相手にゲームカウント1-3から大逆転勝ちし、決勝に進みました。

「兄妹そろって試合があったの?」「智和選手の逆転劇はどんな試合だった?」「日本の卓球はいくつメダルを取っているの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。この記事では、張本兄妹の9月27日の試合を振り返り、男子ダブルス決勝の見どころ、兄妹それぞれの今大会の成績、日本卓球のアジア大会のメダルをまとめて整理します。

9月27日、張本兄妹がそろって準決勝に出場

妹・美和は女子シングルス準決勝で王曼昱に1-4、銅メダル

大会9日目の9月27日、会場の愛知県豊田市のスカイホール豊田では、女子シングルスと男子ダブルスの準決勝が行われました。先にコートに立った妹の張本美和選手(木下グループ)は、世界ランキング3位で日本勢トップとして、世界ランキング1位の中国・王曼昱選手に挑みました。

結果は1-4(8-11、4-11、10-12、11-9、6-11)で、張本選手は決勝進出を逃しました。第3ゲームは9-5とリードしながら5連続失点で逆転され、第4ゲームを奪い返したものの、第5ゲームは9連続失点で押し切られました。アジア大会の卓球は3位決定戦がないため、張本選手は銅メダルとなりました。

試合後、張本選手は涙を流しながら「完敗だったかなと思う。1ゲーム取れたのは最低限というか、ラッキーというか…。やってみて、凄く強かったなと感じました」と話しています(スポニチアネックスによる)。日本勢として1994年広島大会の小山ちれさん以来、32年ぶりとなる女子シングルスの金メダルには届きませんでした。試合の詳しい流れは「張本美和が世界1位の王曼昱に敗れ銅メダル|「完敗だった」涙のコメントと試合の流れ、次は早田ひなとのダブルス」で、「32年ぶり」の意味は「「32年ぶりの金」とは?アジア大会卓球の女子シングルスで最後に勝った小山ちれと、中国の壁」で紹介しています。

兄・智和は篠塚大登と組んだ男子ダブルス準決勝で、中国ペアに4-3の大逆転勝ち

同じ日、兄の張本智和選手は篠塚大登選手と組んで、男子ダブルス準決勝に臨みました。相手は中国の温瑞博/向鵬組です。張本/篠塚組はゲームカウント1-3と追い込まれ、第5ゲームも3-9とリードされる絶体絶命の状況から逆転し、4-3(9-11、6-11、11-9、1-11、12-10、11-7、11-4)で勝ちました。

卓球王国は、この試合を「奇跡の大逆転勝利」と伝えています。デイリースポーツによると、日本男子がアジア大会の男子ダブルスで決勝に進むのは44年ぶりです。張本/篠塚組は銀メダル以上を確定させ、同じ日の夜に行われる決勝に進みました。

妹が銅メダルに終わった同じ日に、兄は逆転で決勝に進みました。張本兄妹が同じ大会で同じ日にメダルに関わる試合をすること自体が、日本の卓球界を代表する兄妹ならではの光景といえます。

男子ダブルス準決勝、ゲームカウント1-3、3-9からの大逆転

ここでは、卓球王国の詳しい試合レポートをもとに、張本/篠塚組の大逆転劇をゲームごとに振り返ります。

第4ゲームを1-11で落として追い込まれた

第1ゲームは序盤から互角でしたが、8-8から張本選手のバックハンドが2本続けてミスとなり、9-11で先取を許しました。第2ゲームも中国ペアが台上のプレーやラリーで上回り、6-6から5本を連取されて6-11で落としました。

第3ゲームは、6-7の場面で日本ペアがタイムアウトを取り、張本選手のサービスエースで7-7に追いつきました。9-9まで競り合った末に11-9で1ゲームを取り返しています。しかし第4ゲームは、気持ちを入れ直した中国ペアが立ち上がりから一気に攻め、日本ペアは0-5とされたあと、1-11で落としました。卓球王国は「実質ラブゲームの屈辱的な形」と表現しており、ゲームカウント1-3と後がない状況に追い込まれました。

第5ゲーム、中国ベンチのタイムアウトのあとに流れが変わった

第5ゲームも中国ペアが先行し、日本ペアは1-5、さらに3-9とリードを広げられました。あと2点で中国ペアの勝利という場面です。しかし、ここから日本ペアが2点を返して5-9とすると、中国ベンチがタイムアウトを取りました。

卓球王国によると、このタイムアウトが「かえって日本ペアの復調を呼び込む形」となりました。タイムアウト明けには中国ペアのミスが続き、日本ペアは一気に10-9とゲームポイントを握りました。その後デュースにもつれましたが、流れは変わらず、張本/篠塚組が12-10でこのゲームを奪い返しました。3-9からの逆転で、ゲームカウントは2-3となりました。

第6・第7ゲームを連取(11-7、11-4)

流れをつかんだ日本ペアは、第6ゲームで持ち味を発揮しました。篠塚選手の高い打球点からのカウンターや、張本選手の台上での細かい技術で押し気味に試合を進め、7-7から4連続得点で11-7。ゲームカウントを3-3に戻しました。

運命の第7ゲームは、日本ペアが立ち上がりから攻めました。2-0から2-3と逆転されましたが、そこから8本を連取し、11-4で勝負を決めました。卓球王国は、この逆転劇を生んだのは「張本/篠塚のあきらめない気持ちだった」と伝えています。

男子ダブルス決勝は林詩棟/黄友政に2-4、銀メダル

決勝の結果

【追記:2026年9月27日】男子ダブルス決勝は、9月27日夜に行われました。スポニチアネックスによると、張本智和/篠塚大登組は、世界ランキング2位の中国・黄友政/林詩棟組に2-4で敗れ、銀メダルとなりました。

張本/篠塚組は第1ゲームを11-6で先取し、第2ゲームを奪われたあと、第3ゲームを14-12で競り勝ちました。しかし、第4・第5ゲームを落として逆転されると、第6ゲームは1-11と圧倒されました。準決勝のような逆転劇の再現はならず、同種目で1982年大会の小野誠治/阿部博幸組以来、44年ぶりとなる優勝にあと一歩届きませんでした。

試合後、張本智和選手は「金メダルの可能性もあったけど、最後は実力差があった」と振り返りました。さらに、「サービス、レシーブ、3球目、4球目…。ダブルスはシングルスよりも計算して、相手がどこに打ってくるか、かけて狙うプレーが必要。そういった部分の連係が相手に比べたら少なかった」と、課題を口にしています(スポニチアネックス)。男子団体に続く日本男子の「2冠」はなりませんでした。

相手の中国ペアはどんな選手?

林詩棟(りん・しとう)選手は、2005年4月18日生まれ、中国・海南省出身の21歳です。英語版Wikipediaによると、2025年2月に男子シングルスの世界ランキング1位になったことがあり、2026年9月時点の世界ランキングは8位です。中国の若手エースの一人です。

林詩棟選手は今大会、日本選手との対戦でも結果を残しています。9月24日の男子団体決勝では戸上隼輔選手に3-1で勝ち、9月26日の男子シングルス準々決勝では松島輝空選手に4-2で勝ちました。さらに27日の男子ダブルス準決勝では、黄友政選手と組んで日本の戸上隼輔/松島輝空組に4-1で勝ち、決勝に進んでいます(デイリースポーツ、スポーツ報知)。

ペアを組む黄友政(こう・ゆうせい)選手とのペアは、準々決勝でも勝ち上がっており(卓球王国)、今大会は決勝まで安定した強さを見せています。

張本兄妹の今大会の成績まとめ

張本美和:団体銀、シングルス銅、混合ダブルスは準々決勝で敗退、28日に女子ダブルス

張本美和選手は、今大会で4種目に出場しています。女子団体は、9月24日の決勝で中国に0-3で敗れて銀メダル。張本選手は第2試合で王曼昱選手と対戦し、2-3(最終ゲームは10-12)で惜敗しました。

混合ダブルスは、松島輝空選手と組んで出場し、9月25日の準々決勝で中国の王楚欽/孫穎莎組に0-3で敗れました。女子シングルスは、準々決勝で北朝鮮のキム・クムヨン選手に勝ったあと、準決勝で王曼昱選手に敗れて銅メダルです。

残る女子ダブルスは、早田ひな選手と組んでいます。9月26日の準々決勝で中国の陳熠/范姝涵組に3-0で勝ち、銅メダル以上を確定させました。9月28日の12時から準決勝で香港の杜凱琹/吳詠琳組と対戦し(卓球王国による)、勝てば同じ日の19時からの決勝に進みます。9月28日の女子ダブルスは、決勝で中国の蒯曼/王曼昱組に0-4で敗れ、銀メダルでした。試合の内容や今後については「みわひな(張本美和・早田ひな)が銀メダル|中国ペアに0-4、第1ゲームは0-11 それでもペアを続ける理由と、ロス五輪で女子ダブルスが復活」でまとめています。卓球の個人戦の日程と放送予定は「アジア大会の卓球 個人戦はいつ?張本・松島・戸上の日程と放送予定、60年前の金メダルの歴史も」でまとめています。

張本智和:男子ダブルスの結果と、ほかの種目の成績

張本智和選手の今大会最大の成果は、男子団体の金メダルです。9月24日の男子団体決勝で、日本は中国に3-2で勝ち、1966年バンコク大会以来60年ぶりの金メダルを獲得しました。この決勝で張本選手は、第2試合で温瑞博選手に3-1、第4試合で世界ランキング1位の王楚欽選手に3-0で勝ち、2勝を挙げています。男子団体の決勝は「卓球男子団体が中国に勝った決勝を1試合ずつ解説|張本智和「勝つから待っとけ」と60年ぶり金の舞台裏」で1試合ずつ解説しています。

一方、男子シングルスでは悔しい結果となりました。9月26日の準々決勝で、イランのアラミヤン選手とフルゲームの激戦の末、3-4で敗れました(卓球王国による)。ゲームカウント1-3から第5ゲームを16-14で取るなどして追いつきましたが、最終ゲームを9-11で落とし、シングルスはメダルなしに終わっています。

男子ダブルスでは、篠塚大登選手と組み、9月26日の準々決勝でシンガポールのペアに3-0で勝ったあと、27日の準決勝で大逆転勝ちを収めました。同じ日の決勝では中国の黄友政/林詩棟組に2-4で敗れ、銀メダルとなりました。

日本卓球のアジア大会メダル一覧

早田ひなの準決勝の結果も含めて整理

9月27日夜の時点で確認できている、日本卓球のアジア大会のメダルと成績は次のとおりです。

  • 男子団体:金メダル(決勝で中国に3-2。60年ぶりの金)
  • 女子団体:銀メダル(決勝で中国に0-3。2大会連続の銀)
  • 女子シングルス:張本美和、早田ひながともに銅メダル(準決勝でそれぞれ王曼昱、孫穎莎に1-4)
  • 男子シングルス:張本智和、松島輝空ともに準々決勝で敗退し、メダルなし
  • 男子ダブルス:張本智和/篠塚大登が銀メダル(決勝で中国に2-4)、戸上隼輔/松島輝空が銅メダル
  • 女子ダブルス:早田ひな/張本美和が銅メダル以上(28日に準決勝・決勝)
  • 混合ダブルス:松島輝空/張本美和は準々決勝で敗退

早田ひな選手も、女子シングルス準決勝で孫穎莎選手に1-4で敗れて銅メダルとなりました。スポーツ報知によると、早田選手は孫穎莎選手に通算21連敗となり、日本勢32年ぶりの金メダルには2人とも届きませんでした。

卓球競技は9月28日まで行われ、最終日には女子ダブルスの準決勝と決勝が予定されています。女子ダブルスの結果次第で、日本の金メダルの数が増える可能性があります。

まとめ

張本兄妹の9月27日と、日本卓球のアジア大会の成績を整理します。

  • 妹の張本美和選手は、女子シングルス準決勝で世界1位の王曼昱選手に1-4で敗れて銅メダル。「完敗だった」と涙を見せた
  • 兄の張本智和選手は、篠塚大登選手と組んだ男子ダブルス準決勝で、中国の温瑞博/向鵬組に1-3、第5ゲーム3-9から大逆転し、4-3で勝った。日本男子として44年ぶりの決勝進出
  • 男子ダブルス決勝は、中国の黄友政/林詩棟組に2-4で敗れて銀メダル。張本智和選手は「最後は実力差があった」と振り返った
  • 張本智和選手は男子団体で金メダル、シングルスは準々決勝で敗退。張本美和選手は団体銀、シングルス銅で、28日に早田ひな選手との女子ダブルスが残っている

同じ日に悔しさと歓喜を分け合った張本兄妹。兄は男子団体の金と男子ダブルスの銀、妹は女子団体の銀と女子シングルスの銅を手にし、28日には妹の女子ダブルスが残っています。最終日まで、日本卓球の戦いに注目しましょう。

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参考・出典