2026年9月26日、愛知・名古屋アジア大会のサッカー男子準々決勝で、U-21日本代表が北朝鮮に1-0で勝ち、ベスト4に進みました。決勝点を決めたのは、FWのンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄選手です。テレビで名前を見て、「なんて読むの?」「どんな選手?」と気になった方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ンワディケ選手の名前の読み方やプロフィール、FC東京U-15深川から修徳高校、桐蔭横浜大学へと進んだ経歴、大学3年の途中でデンマークのクラブへ移籍した経緯を紹介します。そのうえで、北朝鮮戦の決勝ゴールがどんなプレーだったのか、そして9月30日の準決勝ウズベキスタン戦に向けた期待についても解説します。
ンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄のプロフィール
名前の読み方と、2005年7月7日生まれの21歳・191cmのFW
フルネームは「ンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄」です。ゲキサカによると、「ンワディケ」が名字で、発音は「ワディケ」。「ウチェ・ブライアン世雄」が名前にあたり、「世雄」は「せお」と読みます。ゲキサカは、2025年にU-22日本代表に初めて選ばれた際にも、「“ン”は発音しません」という見出しで名前を紹介していました。報道では名字の「ンワディケ」で呼ばれることが多い一方、チームメイトからは「ブライアン」と呼ばれているそうです(ゲキサカ)。
生年月日は2005年7月7日で、2026年のアジア大会の時点では21歳です。国籍は日本で、ポジションはFW、U-21日本代表での背番号は19です。
身長は、ゲキサカが2026年の記事で「191cm」と紹介しています。ゲキサカの2025年の記事では190センチ、高校時代の2023年のTHE ANSWERの記事では189センチ、スポーツナビの選手名鑑では185センチとなっており、資料によって数字が違います。いずれにしても、日本代表のFWの中でも目立つ長身の選手です。
プレーの特徴は、高い打点のヘディングと、体を張ったポストプレーです。高校時代から、長身を生かしたヘディングが最大の武器とされ、ボール扱いも器用で、ポストプレーやターンもうまい選手と紹介されていました(THE ANSWERによる)。
FC東京U-15深川、修徳高校、桐蔭横浜大学
ンワディケ選手の経歴は、FC東京U-15深川、修徳高校(東京)、桐蔭横浜大学です(サッカーキング、スポーツナビによる)。中学時代はJリーグ・FC東京の下部組織でプレーしていました。
修徳高校では、プロから注目される選手になりました。2023年5月のTHE ANSWERの記事によると、関東大会の東京都予選では、2回戦から決勝まで4試合連続でゴールを決め、優勝に貢献しています。当時、本人は「一番は、高卒でプロ。無理だったら大学でプレーして、できるだけ高いレベルのプロでプレーしたい」「将来は海外でプレーしたいです」と話していました。
高校卒業後は、神奈川県の桐蔭横浜大学に進みました。大学ではゴールを重ね、2025年夏にはU-22日本代表に初めて選ばれています(ゲキサカ)。2026年1月にサウジアラビアで開かれたAFC U23アジアカップでは、日本代表のFWとしてプレーし、1月24日の決勝・中国戦にも先発出場しました。日本はこの決勝に4-0で勝ち、大会史上初のアジアカップ連覇を達成しています(日本サッカー協会、サッカーキングによる)。ただ、ゲキサカによると、この大会でのンワディケ選手の得点はグループリーグのUAE戦で決めたPKによる1点だけで、1トップとして課題も残しました。
大学3年の途中で、デンマーク2部のオールボーへ(2026年5月発表)
U23アジアカップで優勝した数カ月後、ンワディケ選手は大きな決断をしました。サッカーキングによると、2026年5月28日、デンマーク2部にあたる「デンマーク・ファーストディビジョン」のクラブ、オールボーBKへの完全移籍が発表されました。ンワディケ選手はこの年の2月に練習生としてオールボーBKの練習に参加しており、クラブはその後も数カ月にわたって連絡を取り続けていたといいます。ゲキサカによると、ンワディケ選手は6月、桐蔭横浜大学サッカー部を3年生の途中で離れ、Jリーグを経由せずにデンマークへ渡りました。
高校時代に「将来は海外でプレーしたい」と話していた目標を、大学3年でかなえたことになります。Jクラブの練習にも参加し、ほかにも選択肢があったそうですが、本人は「オールボーが長い目で将来性を見て、期待してくれた。『世界的なトップストライカーにできる自信がある』と言われたのもある」「オールボーが一番熱かった」と決断の理由を語っています(ゲキサカ)。
4年契約と移籍時のコメント
サッカーキングによると、オールボーBKとの契約は4年間です。移籍が決まった際、ンワディケ選手は「オールボーに加入することができ、とても嬉しいです。自分にとっても大きな挑戦になりますがこれから選手として、そして人としての成長をし続けたいと思います」とコメントしました。
ゲキサカによると、ンワディケ選手はオールボーBKで早くからレギュラーの座をつかみ、カップ戦で3得点を記録しました。9月20日のリーグ戦では、こぼれ球を押し込んでリーグ戦初ゴールも挙げ、公式戦通算4得点としてアジア大会の日本代表に合流しています。オールボーでも大岩ジャパンと同じ4-3-3の1トップでプレーしており、屈強なセンターバックとの競り合いを通じて、ゴール前での動き直しや体の当て方、ポストプレーでの腕の使い方に成長を感じているといいます。合流時には「まず結果を」と意気込みを語っていました。
北朝鮮戦の決勝ゴールはどんなプレーだった?
9月26日の準々決勝・北朝鮮戦は、愛知県の豊田スタジアムで行われ、1万8912人が見守りました(サンケイスポーツ)。日本はU-21(21歳以下)のチームで臨んでいるのに対し、北朝鮮はU-23(23歳以下)に年齢制限のないオーバーエイジの選手3人を加えたチームで、その中にはA代表としてW杯予選に出た選手もいました(スポーツ報知)。
試合の序盤は、北朝鮮の縦に速い攻撃と鋭い守備に苦しみ、日本はなかなか得点のチャンスを作れませんでした。その流れを変えたのが、ンワディケ選手のゴールでした。
ロングボールをDFと競り合って収め、右足で決めた前半39分
前半39分、日本の最終ラインから前線へロングボールが送られました。デイリースポーツによると、ボールがワンバウンドしたところで、ンワディケ選手が北朝鮮のDFと競り合いながらボールを保持しました。サンケイスポーツは「相手DFと競り勝って中央で収め、右足でゴールに流し込んだ」、スポーツ報知は「相手GKとの1対1から冷静にシュートを沈めた」と伝えています。長身と体の強さを生かしてボールを収め、落ち着いてゴールを決めた得点でした。
ゴールが認められたあと、北朝鮮の選手たちはンワディケ選手が押したとして、ファウルを何度も主張しました。一時は選手全員がベンチ付近まで引き揚げ、試合が中断しましたが、判定は変わらずゴールが認められました(サンケイスポーツ、デイリースポーツ)。日本と北朝鮮は3年前の杭州大会でも準々決勝で対戦し、試合が大きく荒れています。「因縁」と呼ばれる理由は「アジア大会、日本vs北朝鮮はなぜ「因縁」? 2023年のクーラーボックス騒動から今回の猛抗議まで、2大会連続の準々決勝を振り返る」でまとめています。試合後の挨拶拒否や、北朝鮮の監督の会見での発言は「北朝鮮が日本戦で挨拶拒否、監督は「審判に問題」|何が起きた?抗議の一部始終と試合後の発言」で詳しくまとめています。決勝点がルール上ファウルに当たるのか、VARがなぜ準決勝からなのかは「アジア大会サッカーでVARが準々決勝になかったのはなぜ?|日本の決勝点はファウルだったのか、ルールで解説」で解説しています。2023年の杭州大会や2025年のU-17ワールドカップを含めた日朝戦の騒動の経緯は「北朝鮮と日本のサッカーで騒動が続くのはなぜ?|杭州の威嚇・U-17「グーパンチ」・今回の挨拶拒否を時系列で整理」で時系列にまとめています。
その後、日本は後半に北朝鮮に押し込まれる時間が続きましたが、DFの岡部タリクカナイ颯斗選手を中心にクロスボールをはね返し、後半43分のピンチはGKの荒木琉偉選手が防ぎました。日本は1点のリードを守り切り、ンワディケ選手のゴールが決勝点になりました。
遅れて合流した海外組が、今大会初先発で結果を出した
ンワディケ選手は、チームに遅れて合流した海外組の一人でした(スポーツ報知)。スポーツナビの記録によると、今大会はグループステージ第3節のタイ戦で後半35分から途中出場しただけで、北朝鮮戦が今大会初めての先発でした。
大岩剛監督は、中2日の過密日程のため、第3節のタイ戦から先発を9人入れ替えて北朝鮮戦に臨みました。DFの市原吏音選手とMFの中島洋太朗選手以外を全員入れ替え、FWにはンワディケ選手、横山夢樹選手、福永裕也選手を並べています。一発勝負のトーナメントの最初の試合で、初めて先発に選ばれたンワディケ選手が決勝点を決め、監督の起用に応えました。
ロス五輪世代のFWとしての期待と、準決勝ウズベキスタン戦
U-21日本代表は、2028年ロサンゼルス五輪を目指す世代のチームです。ほかの国がU-23とオーバーエイジの選手で臨む中、年下のチームで戦っているのがこのアジア大会の特徴です。ンワディケ選手は、2005年生まれのロス五輪世代のFWとして、海外でプレーしながら代表の中心を目指しています。
日本は、グループステージで香港に2-0、キルギスに7-0、タイに3-0と3連勝し、A組を首位で通過しました(Goal.com)。準々決勝で北朝鮮に勝ってベスト4に進み、4大会ぶりの優勝に向けてメダルまであと1勝となりました。日本がアジア大会の男子サッカーで最後に優勝したのは2010年の広州大会で、前回2023年の杭州大会は決勝で韓国に敗れて銀メダルでした。
準決勝は9月30日(水)に、大阪の長居陸上競技場(ヤンマースタジアム長居)で、ウズベキスタンと対戦します。Goal.comによると、キックオフは19時30分です。ウズベキスタンは準々決勝でサウジアラビアに3-0で勝っています。3位決定戦と決勝は10月3日(土)に豊田スタジアムで行われます(フットボールチャンネル)。男子の準決勝・決勝の日程や放送予定は「アジア大会サッカー男子、準決勝はいつ? 日本vsウズベキスタンは9月30日・長居|決勝までの日程と、U-21で挑む大岩ジャパンの勝ち上がり」でまとめています。女子のなでしこジャパンも、9月29日の準決勝で韓国と対戦します。女子の準決勝の日程や放送予定は「なでしこジャパンがフィリピンに4-0で4強入り|準決勝の韓国戦はいつ?放送予定と3連覇への道」でまとめています。
北朝鮮戦のように、相手の守備が固く、試合が拮抗する場面では、長身のンワディケ選手がロングボールを収め、前線で起点になることが大きな武器になります。準決勝でも先発するかどうかは分かりませんが、チームの状況に応じて起用される可能性があるFWとして注目されます。
まとめ
ンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄選手について、この記事のポイントを整理します。
- 名字の「ンワディケ」は「ワディケ」と発音し、「世雄」は「せお」と読む。2005年7月7日生まれの21歳で、身長191cm(ゲキサカによる。資料により185〜191cm)のFW。高い打点のヘディングとポストプレーが武器
- FC東京U-15深川、修徳高校、桐蔭横浜大学を経て、2026年5月にデンマーク2部のオールボーBKへの移籍(4年契約)が発表された。オールボーでは公式戦4得点を挙げている。2026年1月のAFC U23アジアカップでは、決勝の中国戦に先発し、日本の連覇に貢献した
- アジア大会の北朝鮮戦は今大会初先発。前半39分、ロングボールをDFと競り合って収め、決勝ゴールを決めた。北朝鮮は猛抗議したが、ゴールは認められた
- 日本は9月30日(水)19時30分から、長居陸上競技場(ヤンマースタジアム長居)で準決勝のウズベキスタン戦に臨む
高校時代に「将来は海外でプレーしたい」と話していた選手が、デンマークでの挑戦を経て、アジア大会の大舞台で決勝点を決めました。ロス五輪世代のFWとして、準決勝以降の活躍にも注目です。
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参考・出典
- 大岩J合流のンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄「まず結果を」191cmFWがデンマークで得たものは | ゲキサカ(Yahoo!ニュース)
- “ン”は発音しません…桐蔭横浜大FWンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄がU-22日本代表初選出 | ゲキサカ
- ロス五輪世代のFWンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄、桐蔭横浜大学からデンマーク2部クラブ入団が決定 | サッカーキング
- ンワディケ ウチェブライアン世雄 | スポーツナビ アジア大会 選手名鑑
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- サンケイスポーツ、スポーツ報知、デイリースポーツ(2026年9月26日配信)